施工例27 稲荷鳥居の製作
施工例27は稲荷鳥居製作の様子を詳しく説明いたします。
滋賀県の工場敷地の中に
2基の稲荷鳥居を旧稲荷鳥居の間に建てます。
稲荷鳥居の大きさは巾2,8m×高さ2,8m
柱は直径19cm丸柱、旧稲荷鳥居の大きさに倣いました。
笠木の天場は銅板葺、根巻きと柱の下にも銅板を巻き
朱黒塗り分けのウレタン塗装を施しました。
稲荷鳥居の製作 柱
長さ4m×19cm角の桧芯持ち材、正四角に削り
背割りを埋め木して柱の木造りは終わり、穴開けやホゾの墨をして
穴開け加工を済ませます。
これから徐々に丸柱にします。
柱の角を取って、およそ8角形にバンドソーで加工します。
柱を墨に合わせて機械で削り、正8角に加工します。
柱の貫穴を埋めて、丸棒加工屋さんに丸め加工を依頼します。
柱の丸め加工が済んでから、ホゾ加工をします、
柱は転びがあるので胴付きの勾配を大切に加工します。
稲荷鳥居のかさぎの加工、桧材を木柄に合わせて削り、
両端の反りの部分だけ貼付をします。いつもは1本の木から削り出しますが
旧鳥居の笠木の照りが大きく同じようにしていたのでそれに倣います。
墨に従い、島木部分を3分くらい削り込みます。
笠木の加工を1本だけ終えました、もう1本も同じように加工します。
稲荷鳥居の全ての部品が出来たので、塗装する前に仮組みします。
稲荷鳥居の塗装が塗り上がり、朱黒の塗り分けもきっちり出来たので
笠木、柱木口、根巻きの板金を施します。これは笠木の板金
ほんざねを組み、しっかりと固定します。
柱木口も板金をします、これは笠木が乗るので外れることはありませんが
あえて銅釘を打って銅のアクをしみこむようにします。
柱に奉名シール、奉納日のシールを貼ります。
これで稲荷鳥居の製作が済んだので現場に設置します。
柱を立て、貫を通します。2人で息を合わせないと貫がうまく通りません。
柱は50cmほど穴に入れてあるので倒れることはありません。
旧鳥居との間隔が狭いので、体を入れてくさびを打ち込むのも一苦労します。
くさびは前後の転び、左右の転びを振り下げで確認してから打ち込みます。
現場に設置しました、先頭の稲荷鳥居と一番後の稲荷鳥居 合計2基 が完成しました。
稲荷額はお客さんが準備されるので完成次第、取り付けします。
神棚、神具、御霊舎製作の様子は「ひとりごと」でご紹介しています。